わたがしびより

永遠の“HERO”浅田真央さんのBEYONDと無良崇人さん、TEAM ORANGECHEERSさんを応援しています

Vocussion/ヴォーカッション 鍵山優真さん 



遅ればせながら、優真くん、世界選手権、初出場で銀メダル、おめでとうございます!
また、コロナ禍の中で、大変なこともたくさんあったと思いますが、素晴らしい演技を見せてくださいました全選手の皆様、本当にありがとうございます。


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正和パパコーチとのキスクラ、癒されました。。

 


FS「アバター」ももちろん大好きなプログラムですが、今日は優真くんのSPについて感想などを書きたいと思います。

Vocussion!!
テンくんのシルクロードプロを思い出して胸がいっぱいになります。

優真くんはテンくんとはまた異なる感性と個性で、魅せてくださっています。

最初、優真くんが、DOIで披露して下さったのを配信で観た時に鳥肌が立ちました。解説の無良崇人さんと鈴木明子さんもとても褒めていらっしゃったと思います。
今回の世界選手権でみせてくださった演技は、更に滑りこまれた印象で、美しいジャンプやスピンは勿論のこと、スピードがある中でのポージングもよりカッコよく決まっていて、ますます洗練されていました!
豊かなリズムの非常に難しい曲だと思いますが、優真くんの天性のリズム感と踊りのセンスをとても感じられるプログラムだと思います。


この『Vocussion』が入っている「New Impossibilities」というアルバムは、ヨーヨー・マさんと彼が率いる、音の文化遺産を世界に発信する音楽家集団「ザ・シルクロード・アンサンブル」が、シカゴ交響楽団と、2007年にシンフォニーセンターで共演された際のライブ録音盤ということは、すでに有名だと思います。


Spotify


  このアルバムの『Vocussion』は、シークレットボーナストラックとして、「Vocussion」(CD表記タイム2:29)に続けて、ザ・シルクロードアンサンブルの演奏による、「キャラバンサライの夜」が収録されていて、トータル・タイムが8:15になっています。(CDブックレットより)

 

 なので、「New Impossibilities」の『Vocussion』は、「Vocussion」と「キャラバンサライの夜」の2曲が入っている、という言い方でいいのかな。。


優真くんのプログラムだと、「Vocussion」から始まり、4Tを着氷したあと、足換えキャメルスピンに入るところから「キャラバンサライの夜」になると思います。

 


 優真くんもお衣装もとても素敵です!

 

 

 

Vocussion

 

Vocussion」は「ヴォーカル」と「パーカッション」を合成したタイトルだそうです。
2005年、愛知万博のリハーサル中に、ザ・シルクロード・アンサンブルの中の5人のメンバーの方々で共同でつくり上げたそうです。

メンバーの方々:

ドンウォン・キムさん(ヴォーカル)、サンディープ・ダスさん(ヴォーカル)、マーク・スーターさん(ヴォーカル)、ジョセフ・グラムリーさん(ヴォーカル、カシシ)、シェーン・シャナハンさん(ヴォーカル、ダンベック)

これらのパーカッショニストのみなさんが、声を使って打楽器のサウンドをつくり出しているとのことです。
打楽器が刻むビートの上に、複数の文化伝統にまたがった、リズミカルなチャントとスキャット唄法を融合した声をかぶせているそうです。

使われている打楽器は、「ダンベック」という太鼓と「カシシ(ブラジルのシェイカー)」だそうです。


ダンベック‥底板のない金属製のハンド・ドラム。 多くの呼称、変種があり、北アフリカからパキスタンまでの広い地域で演奏されるそうです。 


こちらの動画は、「シュリスティ」という曲で、演奏されているのは「Vocussion」と同じメンバーの方々、向かって左からドンウォン・キムさん(チャンゴ)、サンディープ・ダスさん(タブラ)、シェーン・シャナハンさん(ダンベック)、マーク・スーターさん(ボンゴ)、ジョゼフ・グラムリーさん(トムトム)、だと思います。(間違っていたらごめんなさい!)
こちらの曲、演奏も素晴らしいです!

 

 

キャラバンサライの夜/Night at the Caravanserai

 

ヨーヨー・マさんが音楽監督をつとめられたNHKスペシャル新シルクロード」のサントラである、「Enchantment」というアルバムにも同名曲が入っています。

Enchantment」によると、「キャラバンサライの夜」は、トルコ伝承を、「Vocussion」でダンベックを演奏されているシェーン・シャナハンさんが編曲されたそうです。

New Impossibilities」の「キャラバンサライの夜」は、詳細が書かれていないので、使用されている楽器は正確には分かりませんが、「Enchantment」の「キャラバンサライの夜」では、ダンベック×2、シェーカー、リック(エジプトのタンバリン)、尺八(梅崎康二郎さん)、ネイ、中国琵琶、中国笙、ヴォーカル、ヴァイオリン×2、ヴィオラ、ベース、チェロ(ヨーヨー・マさん)、フィンガーシンバルが使われていて、3つある即興部分は、イランのネイ(ノン・リードの縦笛)と日本の尺八、中東のダンベックとそのパキスタン版の太鼓、アゼルバイジャンのムガームのヴォーカルと中国琵琶という、シルクロード地域の異なる文化からの2つの楽器をペアにしているそうです。

古の時代から、シルクロードを行き交った、様々な民族の姿が目に浮かんでくるようです。

両アルバムの「キャラバンサライの夜」を、使われている楽器や即興部分を含めて聴き比べるのも楽しいです!
※追記です→「(Enchantment」の「キャラバンサライの夜」の出だしは、「New Impossibilities」の「キャラバンサライの夜」と出だしと異なります。(1:38くらいまで)


優真くんのステップシークエンスは、笛(梅崎さんの尺八でしょうか??)の即興部分と太鼓の即興部分をつないでいらっしゃるのかな??
全日本で西岡アナさんと本田さんもおっしゃっていましたが、緩急の付け方もほんと素晴らしいです。


 ☆Spotify


 

 

キャラバン・サライペルシャ語から派生した呼び名※1で、隊商宿のことだそうです。

Embed from Getty Images :

(トルコ・スルタンハンのキャラバン・サライの跡)

 

シルクロード交易の発達にともない、商人に宿と食事を提供するために必要なインフラも発達していきました。※1
その中心になったのが、旅商人とキャラバンを収容できる大きなゲストハウス※1(キャラバン・サライ/隊商宿)で、過酷な自然環境(中央アジアの砂漠地帯の気候は、夏は40℃を超える猛暑で、冬はマイナス15℃以下になるそうです。一日の気温差も大きく20℃くらいの開きがあるとのことです。※2)や飢渇、高価な積み荷を狙って至る所で出没する盗賊から身を守り、つかの間の休息を取ることができたそうです。


キャラバン・サライの多くは塀に囲まれた要塞のようなつくりで、一般的には、中庭の周りを2階建ての建物が取り囲み(一階は商品の保管倉庫・事務所があり、二階は小部屋に区分された宿泊施設)、ラクダなどの動物を休ませるための場所や、中庭の中央には多くは礼拝室風の建物を備えていたとのことです。※3(上の写真の二枚目参照)多くは入浴できる場所もあったそうです。


また、中庭にバザールが設置される所も多く、地元住民や他の旅商人と取引したりコミュニケーションをとったりする重要な出会いの場として、経済的、社会的、文化的に大きな意義を持ち単なる宿としてだけではなく、異文化間対話の拠点としても機能していたとのことです。※1
商人たちのそれぞれの物語や経験が集まることになった、サマルカンドやブルサなどキャラバン・サライを擁した都市の多くは、のちに知と文化の中心地となったそうです。※1


中央アジアを通る様々な交易路がより発展してくると、10世紀ごろからキャラバン・サライは、中国からインド亜大陸、イラン、コーカサス、トルコに、更には北アフリカ、ロシア、東ヨーロッパまで広がり、数千に達するほど増大したそうです。※1
それらの遺構は今もイラン・トルコの各地に残っているとのことです。※4

こうしてシルクロード上の各地の文化は、キャラバンによって東西南北に伝えられ、様々に混ざり合いながら、それぞれの地で花開いていったそうです。

シルクロードでのキャラバンの夜の楽しみは焚火で、ラクダ曳き達は、暗闇に燃えさかる火の周りに思い思いに集まり、話しに興じながら一日の疲れを癒したそうです。※3
     

  
 

 

優真くんのVocussion

 

全日本や世界選手権の放送で、「“シルクロード”をイメージしたメロディ 新たな出会いや困難を経て成長する姿を描く」と紹介がありました。

今シーズンにはいったばかりの時の、日刊スポーツ様の記事によると、


>テーマはシルクロードで「優真が旅をします。素晴らしい出会い、楽しい経験、時には盗賊と闘う場面もある。決して穏やかな道のりではないところが、まさに彼が今季からシニアに上がって初体験する世界とリンクする。さまざまな国のメロディーが流れ、そのたびにローリーさんが『ここはインドよ』などと情景を想像させながら動きを実演してくれるんです。まだOKをもらえていないくらい、厳しく、丁寧に教えてくださっている姿を見て、優真に提案して間違いなかったと確信しました」(佐藤操先生のインタビューより)

 

優真くんのスケートの旅を応援しています!

昨年行われた無良さんとのトーク配信で、ほのぼのした雰囲気の中にも優真くんの常に学ぼうとする向上心が垣間見れてすごいなぁと思いました。無良さんも目を細めていらっしゃいましたね!そして、イラストもうますぎたよ!!😍!!

 

 

※参考

1.シルクロード歴史大百科 (ジョーディー・トール著 岡本千晶訳 原書房) 
2.シルクロードを行く (清水陽子著 東洋書店)
3.新シルクロード 歴史と人物[第2巻] シルクロード キャラバン・サライの夜 (映像提供NHK 監修 平山郁夫 執筆 長澤和俊 講談社)
4.新シルクロード百科 (長澤和俊著 雄山閣出版)

 

  

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